2014年9月10日水曜日

「Minami Azabu Guide BOOK」

2012年秋のこと。

出掛けた先のパン屋さんにて
「Minami Azabu Guide BOOK」という冊子を発見。

Take free とあったのでいただいてきました。
不動産会社の出しているフリーペーパーのようです。
サブタイトルに「南麻布を満喫するスタイルマガジン」とあります。
(「ウェリス有栖川」という物件の販促用かと思われます。
NTT都市開発が売り主、三菱地所レジデンスが販売代理の物件です。)




写真がどれも綺麗ですしオールカラーでお金がかかっている印象。
さすが高級マンションの販促用ですね!

南麻布メインかなと手に取って見ましたが、隣接地域の紹介が多いような気がします。
それだけ周囲も恵まれているよ、ということなんでしょうね。
表紙も広尾商店街のお店です。

比較的広いエリアのお店が紹介されていて、読んでいて面白かったです。
散策してみたいななんて思いました。



2014年8月25日月曜日

『嬢マニュアル—18才からの「夜」のハローワーク』

『嬢マニュアル—18才からの「夜」のハローワーク』
著者:森山まなみ
平成19年5月10日 初版第3刷 (祥伝社)

※読了日 2014.07.11



嬢マニュアル―18才からの「夜」のハローワーク嬢マニュアル―18才からの「夜」のハローワーク
森山 まなみ

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「キャバ嬢」ってどんなイメージ?


「キャバ嬢」と聞いてどんなイメージが浮かぶでしょうか。
私は六本木・銀座界隈にお店が集まっていて、雑誌『小悪魔ageha』(インフォレスト)のような着飾った女の子が働いているようなイメージをもっていました。


SNSでキャバ嬢を育成するようなアプリ(※)があり、以前それを数回プレイしたことがありました。髪型や小物、ドレスの様式を選んで着飾りお客様の好感度を上げNo.1キャバ嬢を目指していく……現実には及ばないでしょうが自分にはこれでも難儀でした。


※KLab提供ゲーム「恋してキャバ嬢」


職種紹介「お水図鑑」から愛されマニュアル、舞台裏まで

本書のサブタイトルに『18才からの「夜」のハローワーク』とあるように、キャバ嬢にまつわるあれこれを一から解説してありました。
職種紹介、面接から体験入店・本入店への流れを始め、できるキャバ嬢になるテクニックの数々、現役キャバ嬢へのインタビューなどが掲載されています。

軽い文体で丁寧に解説されていて、この業界に関しての知識もほとんどない自分にも理解ができました。
本書のなかで面白いと思ったのは第1章でした。


1「夜」のハローワーク〜東大生キャバ嬢から銀ホスまでの「お水図鑑」〜

キャバクラと一口にいってもその形態は様々。
「お水図鑑」というだけあってそれぞれの紹介がされています。


*大箱・小箱
*高級クラブ
*ランキャバ(ラン=ランジェリー)
*コスキャバ(コス=コスプレ)
*ネッキャバ(ネッ=ネット)
*キャバレー 
*パブスナック(指名制なし・地元密着型多し)
*パーティコンパニオン(通称「パーコン」。見栄えを揃えるために身長などに厳しい条件がある)
*ぽちゃキャバ(平均体重80kg)
*キャバ嬢からママへのステップアップ(クラブだけでなく最近はキャバクラでもママを置くお店が増えている)

キャバレーはキャバクラより働き手の年齢が高い。個人プレーのキャバクラ、チームプレーのキャバレーという印象だそう。



*ショーメン(ショーのメンバー)
大型店舗(大箱キャバクラ)ではエンターテイメントの一環としてキャバ嬢によるショーを行っているところがある。終業後に練習を重ねるハードなメンバー。

勤務時間外で練習に打ち込む、というのは驚きでした。休む時間を削ってたしかにハードそうです。


街が変われば女の子も変わる

都内でいえば新宿、渋谷、六本木、銀座、池袋。
北海道ならススキノ、大阪なら……と各地域に特に集まっている場所がありますね。
新宿は激戦区、渋谷はギャル系のゆるい雰囲気、六本木は業界人が集う華やかな世界、銀座はスマートに遊んでもらう場所。
なんとなくしか知らなかったものが本書を読んだことで、キャバクラは街の色を反映していることを知りました。



銀座ホステスとキャバ嬢の違いとは?
「スマートな飲み方ができ、遊び方を知っている美しいひと」が銀座のホステスとしてふさわしいようでした。
華やかな世界。一方で美容院代が自分もち、衣装代もバカにならないなどの苦労もあるようで。


イケてるキャバ嬢になるためにどんな要素が必要なのか

・ハードな仕事ゆえのタフさ
・心のキャパの大きさ
・相手に気づかれせずにソツのなく気配りができるか
・謙虚さをもてるか(お客様にも同僚にも)
・記憶力のよさ
・頭の回転のはやさ
このあたりが必要だそうです。項目だけ見るとキャバ嬢に限らず「できる人」になるのに必要そうです。

キャバ嬢の個人プレーだけでなく、スタッフとの連携も大事でしょう。
同僚であるほかのキャバ嬢との関係も、ライバル意識と仲間意識をもちつつうまくやっていけるのがベストなんでしょうね。




読み終えて

 易しい文章で書かれていて手軽に読めました。
夜の世界に関わるわけではなくても、こんな世界もあるんだと読むのもいいのではないでしょうか。






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2014年7月8日火曜日

フリーペーパー「ココカラ」と「FREE AWAJI BOOK 8890」を読んでみた。

フリーペーパー「ココカラ」と「FREE AWAJI BOOK 8890」。

イベント会場で配布されていたのを入手。
どちらも初めて目にしました。





ざっくりした地域密着型フリーペーパー「ココカラ」
偶数月発行のフリーペーパーです。
フリーペーパー版に掲載しきれない情報もWebマガジンで楽しめるそうです。

キャッチコピーは
「ここからはじまる ここからひろがる
おもしろいのがあたらしい ざっくりこのへんフリーペーパー」。
発行:ココカラ編集部



都内各地で絶賛配布中!新しいフリーペーパーココカラ







入手できる場所は「ココカラ」Web版で確認できます。

フリーペーパーココカラは現在、五反田、目黒、恵比寿、代官山、中目黒、広尾、西小山、武蔵小山、戸越など各地域の飲食店やコンビニエンスストアなどに設置させていただいています。
(引用元) http://www.cocokala.jp/

サイト内にあるマップでも確認できますし、設置店の紹介もされていました。
「ココカラ」は初見ですが、設置店紹介のなかにたまに行くお店がいくつかあり今まで見逃していたことを知りました。




今回読んだのは2冊です。どちらもA4サイズ、表紙含めて12ページでした。
・NO.07 April 2014
「ひみつ道具の工場、ここにあります。」
 おもしろいもの、あれこれつくる ざっくりこのへん「町工場」のあたらしいカタチ
・NO.08 June 2014 
「やっぱりバスが好き!」
 知ってるようで、そんなに知らない バスのおもしろいとこ、教えます


NO.07
連載「恵比寿な人たち」第3回で居酒屋久美のご主人が戦争の記憶と戦後の復興から現在のことを語っていらっしゃいます。
恵比寿2丁目の通りなど普段の何気なく歩いていた場所に焼夷弾が……なんてのを知ると遠くに感じていたものが急に迫ってきたようでぞくりとしました。辛い体験であったと思いますが貴重なお話です。


ちなみにこの連載は「ココカラ」と恵比寿新聞の連動企画だそうです。
恵比寿の記憶を残していくアーカイブ企画、素晴らしい試みだと思います。
(自分も過去にアーカイブ活動にかかわっていたことがありましたし今も関心があります。貴重なモノを残していく、保存・収集・公開していくのが大事だと思っています)
恵比寿新聞のサイトでは「ココカラ」で書き切れなかった取材内容も掲載されています。
写真も豊富でした。


恵比寿新聞 | 第三回 恵比寿な人たち 居酒屋久美 岡安松男さん「居酒屋久美物語」









NO.08
バス特集は運転席の操作板などの配置説明、バス豆知識などマニアックなところが面白かったです。トミカなどのバス写真が散りばめられているのも遊び心があって楽しくなってきます。

連載「恵比寿な人たち」第4回では7月下旬の「全恵比寿駅前盆踊り」について恵比寿地区町会連合会会長の方がインタビューを受けています。
恵比寿の盆踊りの曲が面白い、盆踊りもアツい!と話題になっていますね。オリジナル曲「恵比寿音頭」「YES,YES,EBISU」「HEY Mr.EBISU」は知っていました。しかし昨年新曲が発表されていたとは!!「恵比寿ラビアンローズ」という曲だそうです。
戦後、恵比寿の活気を呼び戻すべくはじまり復興のシンボルとして守られ続けたこのお祭り。現在も毎年6万人超の来場者があるそうです。祭りの裏舞台を垣間みられるこの記事もいいですね。





淡路町に特化した情報誌「FREE AWAJI BOOK 8890」


「AWAJI」というので兵庫県淡路地方かと思いました。が読んでみて勘違いに気づきました。淡路は淡路でも、千代田区神田にある淡路町(あわじちょう)のことでした。

神田淡路町という地名は淡路坂からきていると言います。
(淡路坂といえばJR中央線の神田〜御茶ノ水の線路に沿っていますね。電車を左手に眺めながらよく神田へ向かっていたな……)
淡路坂は江戸期に坂の近くに鈴木淡路守の屋敷があったことに由来するとのこと。
また淡路坂は一口坂(いもあらいざか)、大坂、相生坂(あいおいざか)とも呼ばれていたそうで、こちらは坂上東側にあった太田姫稲荷神社の別称にちなんだ名称などのようです。


坂上東側には太田姫稲荷神社がありましたが、鉄道線路拡幅のため昭和6年に移転し、現在は神田駿河台一丁目にあります。この神社は、太田道灌が娘の疱瘡 (いもあらい)の治癒を祈願して、山城国(京都府)一口の里の稲荷を勧請して建立し、一口稲荷と呼んだと伝えられています。このことから、この坂には一口坂の別名もあります。
(引用元) http://www.kanko-chiyoda.jp/tabid/613/Default.aspx

前置きが長くなりましたが、この神田淡路町を取り上げたフリーペーパーが「FREE AWAJI BOOK 8890」です。
発行:一般社団法人淡路エリアマネジメント
編集:グッドモーニングス株式会社 水代 優



地域情報誌|一般社団法人 淡路エリアマネジメント


PDFでバックナンバーも読めます




今回手に取ったのは
2014 June No.6 「特集:美味しい和菓子をいただきます」です。
B6サイズで表紙含め16ページでした。





「御菓子処 さゝま」の記事を読んで、近いうちに人気の「松葉最中」を買い求めに出掛けたくなりました。丁寧に作られたこしあんを想像するだけでたまりません。

大量生産大量消費が当たり前の時代。頑なにデパートなどへの出店を拒み、通信販売もしていない。「欲しい人には買いに来ていただく」スタイルを貫いている。老舗ならではの頑固さが理由ではない。
(中略)
「さゝまのお菓子は美味しいと言っていただけますが、当たり前なんです。昔ながらの本物にこだわった製法を守り続けているんですから」
(引用元) 本誌p.5

品質に妥協せずに昔ながらの手法を守り丁寧にされる仕事。
ぜひとも足を運んでみたくなります。







なお、編集をされている水代氏は町おこしなどを手がけている方のようです。


人気の町おこしの専門家が明かす「必敗パターン」とは ~グッドモーニングス代表・水代優氏インタビュー  | 磯山友幸「経済ニュースの裏側」 | 現代ビジネス [講談社]





この記事でも神田淡路町のことが触れてありました。
「FREE AWAJI BOOK 8890」でもPRされていた「ワテラス」。再開発事業で建てられた複合ビルだそう。地域のコミュニティースペースとしてさまざまなイベントが企画されているそうです。

 「粋」がテーマなんですが、自分で「粋」と言うと粋じゃないので、"Essence of Japanese"っていうシリーズにするつもりです。京都の香道や茶道、俳句、和菓子、蕎麦のほか、ぽち袋の折り方や、字をきれいに書けるようになるプログラムなどを考えています。丸の内で溜め込んだノウハウを神田に生かすわけです。年間24本ぐらいの企画をやる予定です。
 さらにコミュニティ誌の編集発行も引き受けました。江戸の香りを残す神田淡路町の昔からの住民と、ワテラスに住む新住民が溶け合い、新たなコミュニティが出来上がっていくお手伝いをしたいと思っています。
(引用元) http://gendai.ismedia.jp/articles/-/35199?page=5

冊子とともに地域の今後が気になりますね。

2014年6月23日月曜日

2014年に開催、妖怪関係の展覧会まとめ

自分が行きたい展示を中心にまとめております。
毎年多くの妖怪・民俗学関係の展示があります。
あくまで一部をピックアップしています。

関東

河鍋暁斎記念美術館 (埼玉県蕨市南町)
2014年5月2日(金)〜2014年6月25日(水)
企画展 妖怪図-奇々怪々あやしの世界-展



Café & Meal MUJI 新宿 (新宿ピカデリーB1F)
2014年6月6日(金)〜7月23日(水)
石黒亜矢子の作品展「化け猫と幻獣」

京極夏彦氏の装幀画などを手がけるイラストレーターの展示。
※カフェスペースでの展示のためドリンクまたはフードのオーダーが必要だそうです。



浮世絵 太田記念美術館 (渋谷区神宮前)
2014年7月1日(火)〜9月25日(木)
特別展「江戸妖怪大図鑑」


太田記念美術館 特別展「江戸妖怪大図鑑」






※第1部〜3部で展示替え
第1部【化け物】7/1(火)〜7/27(日)
第2部【幽霊】8/1(金)〜8/26(火)
第3部【妖術使い】8/30(土)〜9/25(木)

展示替えが3回!
第1部はもうすぐです、楽しみです。



柏市郷土資料展示室 (千葉県柏市大島田)
2014年5月31日(土)〜2014年9月7日(日)
第17回 柏の歴史企画展「幽霊とものゝけ ~柏の怖い絵見に来ませんか~」 


第17回柏の歴史企画展 幽霊とものゝけ ~柏の怖い絵見に来ませんか~ - 柏市役所







中部・東海

名古屋市博物館 (名古屋市瑞穂区)
2014年5月21日(水)〜7月13日(日)
特別展「幽霊・妖怪画展大全集」


名古屋市博物館 特別展「幽霊・妖怪画展大全集」






以前福岡で展示があった際に図録やグッズを取り寄せました。
全国を巡回展示していますね。
「YKI48総選挙」も面白いですね。
みなさまイチオシのお気に入り妖怪はどれでしょう?




岐阜県博物館 (岐阜県関市小屋名)
7月4日(金)~8月31日(日)
特別展 奇なるものへの挑戦 明治大正/異端の科学


岐阜県博物館ウェブサイト|GIFU PREFECTURAL MUSEUM






千里眼・念写・催眠術。狐憑き・神おろし。
明治大正期といえば近代化により科学技術への関心が高まりつつも、古来よりの信仰や不可思議なものへの関心もあった頃。
この展示では福来友吉や田中守平の足跡を辿りつつ近代について迫るとのこと。

岐阜県博物館は子どもの頃によく出掛けていました。
妖怪の展示を調べていたら懐かしい館名に出会いうれしくなりました。




高浜市やきものの里かわら美術館 (愛知県高浜市青木町)
平成26年7月19日(土)~9月15日(月)
鬼と妖怪の造形(かたち)―水木しげるの作品とともに―
※同時開催 水木しげるの戦争と新聞報道

開催中の展覧会| 展覧会のご案内 | 高浜市やきものの里 かわら美術館





鬼瓦や郷土の玩具にみる妖怪の造形というところに興味をひかれます。
香川雅信氏(兵庫県立歴史博物館 主査・学芸員)の講演「妖怪の造形」も面白そうです。



北陸

石川近代文学館 (金沢市広坂)
2014年4月19日(土)〜8月24日(日)
妖怪えほん原画展

※7月5日(土)京極夏彦氏と東雅夫氏のトークイベントあり


東北

山寺芭蕉記念館 (山形市大字山寺字南院)
2014年7月18日(金)〜8月25日(月)
企画展 妖怪の文学・美術

現時点で展示品の詳細はわかりません。
2010年に同館で「もののけでみる文学・美術」展が開催された際の記事はみつかりました。

妖怪の図鑑や掛け軸など25点を展示。中国の妖怪「金毛九尾の狐(きつね)」の怨念(おんねん)が石になったという「殺生石」について詠んだ松尾芭蕉の俳句、鬼を手下にした役行者(えんのぎょうじゃ)を題材にした掛け軸、葛飾北斎が描いた妖怪、江戸時代の妖怪画集「今昔百鬼拾遺」など、人々の生活に潜むこの世のものではないものを表現した文学を紹介している。
(引用元) http://www.47news.jp/localnews/odekake/2010/08/post-20100819001220.html


こうした切り口もまた興味があります。



関西

大阪市立美術館 (大阪市天王寺区茶臼山町)
2014年6月24日(火)~7月6日(日)、7月19日(土)~8月31日(日)
コレクション展 江戸の版本と百鬼夜行絵巻



中国地方

耕三寺博物館 仏教美術展示金剛館 (尾道市瀬戸田町)
2014年5月31日(土)〜8月31日(日)
夏季企画展 百鬼夜行の世界


耕三寺博物館 仏教美術展示 金剛館









*終了*

千葉県立中央博物館 本館 (千葉市中央区青葉町)
2014年5月10日(土)〜 6月15日(日)
トピックス展「もののけ来るぞ! 河童」

河童関係の史料・絵図のほか県内河童情報マップを作成し展示してあったそうです。




2014年6月21日土曜日

『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』

『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』
大沢在昌・石田衣良・今野 敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂 剛・東野圭吾 著
解説:西上心太
原作:秋本治
監修:日本推理作家協会
2007.5.30 第1刷 (集英社)

※読了日 2009/08/25



小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所
秋本 治 日本推理作家協会

集英社 2007-05-24
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「こち亀」30周年記念作品

長寿漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』 (秋本治・集英社)
2007年、同作品の連載30周年記念および日本推理作家協会設立60周年を記念し連載されたものが単行本化したのが『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』です。

実写ドラマ化でも話題(?)になっていた「こち亀」。
その新たな可能性を秘めた、この作家陣による小説化!

日本推理作家協会所属の小説家7名が寄稿しています。
大沢在昌、逢坂剛、今野敏、東野圭吾、石田衣良、京極夏彦、柴田よしき。
豪華ですね。


ギャグ漫画とミステリー、各作品とのコラボレーション

「こち亀」の世界に、各作家の作品世界を持ち込んでいます。

大沢在昌「幼な馴染み」……『新宿鮫』シリーズ
逢坂剛「決闘、二対三!の巻」……御茶ノ水警察署シリーズ
今野敏「キング・タイガー」……コラボなし
東野圭吾「目指せ乱歩賞!」……コラボなし
石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」……『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ
京極夏彦「ぬらりひょんの褌」……『どすこい』南極夏彦
柴田よしき「一杯の賭け蕎麦」……花咲慎一郎シリーズ



7作品のなかで今野敏、東野圭吾、京極夏彦作品が面白かったです。

今野敏「キング・タイガー」
プラモデルの話、両さんの趣味と相まっていい設定だと思いました。
両さんの登場は少ないけれどその登場がぐっときます。


東野圭吾「目指せ乱歩賞!」
ハチャメチャな両さんらしさがよく出ています。
タイトル通り、両さんが乱歩賞を目指して創作に明け暮れます。




京極夏彦「ぬらりひょんの褌」
南極さんに驚きました。
(本作を読んだ当時)巷説シリーズしか読んでいませんでした。いろんなものを書いてらっしゃるのですね。
コラボ作で双方の世界観が違和感なく混ざり合っています!妖怪!!
巧みですね。
「京極堂」もちらりと。


どすこい(仮)どすこい(仮)
京極 夏彦

集英社 2000-02
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装丁は黒地に白と赤と灰色の文字で「ミステリー」という雰囲気を醸しだしているようです。どこかおどろおどろしい字体にも思えます。

異色とも思えるコラボレーション。
読んでみてこういう楽しみ方は好きかも、と思わされました。
「こち亀」ファンも作家陣のファンの方もにやりとする作品ではないでしょうか。

実写ドラマ化については知りませんが漫画とアニメは昔少し目にしたことがあります。
休載なしで30年以上の連載……すごい作家であり、作品であります。