2014年6月23日月曜日
2014年に開催、妖怪関係の展覧会まとめ
毎年多くの妖怪・民俗学関係の展示があります。
あくまで一部をピックアップしています。
関東
河鍋暁斎記念美術館 (埼玉県蕨市南町)
2014年5月2日(金)〜2014年6月25日(水)
企画展 妖怪図-奇々怪々あやしの世界-展
Café & Meal MUJI 新宿 (新宿ピカデリーB1F)
2014年6月6日(金)〜7月23日(水)
石黒亜矢子の作品展「化け猫と幻獣」
京極夏彦氏の装幀画などを手がけるイラストレーターの展示。
※カフェスペースでの展示のためドリンクまたはフードのオーダーが必要だそうです。
浮世絵 太田記念美術館 (渋谷区神宮前)
2014年7月1日(火)〜9月25日(木)
特別展「江戸妖怪大図鑑」
太田記念美術館 特別展「江戸妖怪大図鑑」
※第1部〜3部で展示替え
第1部【化け物】7/1(火)〜7/27(日)
第2部【幽霊】8/1(金)〜8/26(火)
第3部【妖術使い】8/30(土)〜9/25(木)
展示替えが3回!
第1部はもうすぐです、楽しみです。
柏市郷土資料展示室 (千葉県柏市大島田)
2014年5月31日(土)〜2014年9月7日(日)
第17回 柏の歴史企画展「幽霊とものゝけ ~柏の怖い絵見に来ませんか~」
第17回柏の歴史企画展 幽霊とものゝけ ~柏の怖い絵見に来ませんか~ - 柏市役所
中部・東海
名古屋市博物館 (名古屋市瑞穂区)
2014年5月21日(水)〜7月13日(日)
特別展「幽霊・妖怪画展大全集」
名古屋市博物館 特別展「幽霊・妖怪画展大全集」
以前福岡で展示があった際に図録やグッズを取り寄せました。
全国を巡回展示していますね。
「YKI48総選挙」も面白いですね。
みなさまイチオシのお気に入り妖怪はどれでしょう?
岐阜県博物館 (岐阜県関市小屋名)
7月4日(金)~8月31日(日)
特別展 奇なるものへの挑戦 明治大正/異端の科学
岐阜県博物館ウェブサイト|GIFU PREFECTURAL MUSEUM
千里眼・念写・催眠術。狐憑き・神おろし。
明治大正期といえば近代化により科学技術への関心が高まりつつも、古来よりの信仰や不可思議なものへの関心もあった頃。
この展示では福来友吉や田中守平の足跡を辿りつつ近代について迫るとのこと。
岐阜県博物館は子どもの頃によく出掛けていました。
妖怪の展示を調べていたら懐かしい館名に出会いうれしくなりました。
高浜市やきものの里かわら美術館 (愛知県高浜市青木町)
平成26年7月19日(土)~9月15日(月)
鬼と妖怪の造形(かたち)―水木しげるの作品とともに―
※同時開催 水木しげるの戦争と新聞報道
開催中の展覧会| 展覧会のご案内 | 高浜市やきものの里 かわら美術館
鬼瓦や郷土の玩具にみる妖怪の造形というところに興味をひかれます。
香川雅信氏(兵庫県立歴史博物館 主査・学芸員)の講演「妖怪の造形」も面白そうです。
北陸
石川近代文学館 (金沢市広坂)
2014年4月19日(土)〜8月24日(日)
妖怪えほん原画展
※7月5日(土)京極夏彦氏と東雅夫氏のトークイベントあり
東北
山寺芭蕉記念館 (山形市大字山寺字南院)
2014年7月18日(金)〜8月25日(月)
企画展 妖怪の文学・美術
現時点で展示品の詳細はわかりません。
2010年に同館で「もののけでみる文学・美術」展が開催された際の記事はみつかりました。
妖怪の図鑑や掛け軸など25点を展示。中国の妖怪「金毛九尾の狐(きつね)」の怨念(おんねん)が石になったという「殺生石」について詠んだ松尾芭蕉の俳句、鬼を手下にした役行者(えんのぎょうじゃ)を題材にした掛け軸、葛飾北斎が描いた妖怪、江戸時代の妖怪画集「今昔百鬼拾遺」など、人々の生活に潜むこの世のものではないものを表現した文学を紹介している。
(引用元) http://www.47news.jp/localnews/odekake/2010/08/post-20100819001220.html
こうした切り口もまた興味があります。
関西
大阪市立美術館 (大阪市天王寺区茶臼山町)
2014年6月24日(火)~7月6日(日)、7月19日(土)~8月31日(日)
コレクション展 江戸の版本と百鬼夜行絵巻
中国地方
耕三寺博物館 仏教美術展示金剛館 (尾道市瀬戸田町)
2014年5月31日(土)〜8月31日(日)
夏季企画展 百鬼夜行の世界
耕三寺博物館 仏教美術展示 金剛館
*終了*
千葉県立中央博物館 本館 (千葉市中央区青葉町)
2014年5月10日(土)〜 6月15日(日)
トピックス展「もののけ来るぞ! 河童」
河童関係の史料・絵図のほか県内河童情報マップを作成し展示してあったそうです。
2014年6月21日土曜日
『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』
大沢在昌・石田衣良・今野 敏・柴田よしき・京極夏彦・逢坂 剛・東野圭吾 著
解説:西上心太
原作:秋本治
監修:日本推理作家協会
2007.5.30 第1刷 (集英社)
※読了日 2009/08/25
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「こち亀」30周年記念作品
長寿漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』 (秋本治・集英社)
2007年、同作品の連載30周年記念および日本推理作家協会設立60周年を記念し連載されたものが単行本化したのが『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』です。
実写ドラマ化でも話題(?)になっていた「こち亀」。
その新たな可能性を秘めた、この作家陣による小説化!
日本推理作家協会所属の小説家7名が寄稿しています。
大沢在昌、逢坂剛、今野敏、東野圭吾、石田衣良、京極夏彦、柴田よしき。
豪華ですね。
ギャグ漫画とミステリー、各作品とのコラボレーション
「こち亀」の世界に、各作家の作品世界を持ち込んでいます。
大沢在昌「幼な馴染み」……『新宿鮫』シリーズ
逢坂剛「決闘、二対三!の巻」……御茶ノ水警察署シリーズ
今野敏「キング・タイガー」……コラボなし
東野圭吾「目指せ乱歩賞!」……コラボなし
石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」……『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ
京極夏彦「ぬらりひょんの褌」……『どすこい』南極夏彦
柴田よしき「一杯の賭け蕎麦」……花咲慎一郎シリーズ
7作品のなかで今野敏、東野圭吾、京極夏彦作品が面白かったです。
今野敏「キング・タイガー」
プラモデルの話、両さんの趣味と相まっていい設定だと思いました。
両さんの登場は少ないけれどその登場がぐっときます。
東野圭吾「目指せ乱歩賞!」
ハチャメチャな両さんらしさがよく出ています。
タイトル通り、両さんが乱歩賞を目指して創作に明け暮れます。
京極夏彦「ぬらりひょんの褌」
南極さんに驚きました。
(本作を読んだ当時)巷説シリーズしか読んでいませんでした。いろんなものを書いてらっしゃるのですね。
コラボ作で双方の世界観が違和感なく混ざり合っています!妖怪!!
巧みですね。
「京極堂」もちらりと。
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装丁は黒地に白と赤と灰色の文字で「ミステリー」という雰囲気を醸しだしているようです。どこかおどろおどろしい字体にも思えます。
異色とも思えるコラボレーション。
読んでみてこういう楽しみ方は好きかも、と思わされました。
「こち亀」ファンも作家陣のファンの方もにやりとする作品ではないでしょうか。
実写ドラマ化については知りませんが漫画とアニメは昔少し目にしたことがあります。
休載なしで30年以上の連載……すごい作家であり、作品であります。
2014年6月15日日曜日
『七つの黒い夢』
乙一・恩田陸・北村薫・誉田哲也・西澤保彦・桜坂洋・岩井志麻子
2007.1.15 9刷(新潮文庫)
※読了日 2009/02/21
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ダークファンタジー
7人の作家によるアンソロジー。
背表紙には「静かな恐怖を湛えた」、「ダークファンタジー」とうたってあります。
日常にある違和感や、ささやかながらもどこか不可思議な事象。そんなものが重なって、いつしか奇妙な事態に巻き込まれていく。そんな内容ですかね。
「夢」は個人的にいまだに関心冷めやらぬテーマです。
タイトルに惹かれて本作を手にとった次第です。
乙一「この子の絵は未完成」
気になりました。
<絵>や<美術>なんてテーマはいつもとらわれてばかりですね~。
今回はそれにあわせ、「未完成」という表現が気になりました。母親から息子をみての表現です。
息子を心配する面と、自分(たち)が変な目で見られたら困るという世間体。
愛情のもつ言い切れない……なんていうか煩わしさと思いやりと。なんだかままならない感情が自分のなかに残りました。
恩田陸の「赤い毬」
好きです。
不思議な話。でも怖くはありませんでした。転がってゆく鮮やかな赤い毬……毬に導かれる縁。あたまにイメージがわき、創作意欲を掻き立てられました。
2014年6月10日火曜日
『ハチミツとクローバー film story』
羽海野チカ原作 落合ゆかり著
2006.8.1 第2刷 (集英社)
読了日 2009/08/04
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原作・羽海野チカ
羽海野さんの原作漫画『ハチミツとクローバー』は本当に好きな作品です。ノイタミナ枠で放送されていたアニメ版の雰囲気もよかったですね。スガシカオさんの曲がよく使われてた記憶。たしか夏の夜中にやってましたよね。
ハチミツとクローバー
放送時、私も大学生でした。
一人暮らしをはじめてから深夜枠のアニメを観るようになりました。
実家では21時以降のテレビはほぼ観られませんでした。深夜にアニメがやっているなんてびっくりでした。ハチクロに目を奪われたな……。
それにしても美大って面白そうです。
本書は映画版のノベライズです
映画はまだ観ていません。
ふらりと入った古書店で、本書を発見!
散りばめられた映画のシーンをみつつ、ストーリーを追います。
映画『ハチミツとクローバー』公式サイト
監督・脚本:高田雅博
キャスト
竹本 裕太:桜井翔
花本 はぐみ:蒼井優
真山 巧:加瀬亮
森田 忍:伊勢谷友介
山田 あゆみ:関めぐみ
花本 修司:堺雅人
原田 理花:西田尚美 ほか
ストーリーは映画のためにぎゅっとまとめられ、設定も結構変わっているんですね。
野宮さんがいない、勅使河原さんも……。
竹本くんの自分探しも……なんか、ね。
かなーり、ひっそりしたものになっているんですね。
映画では「海」へ行く。原作で遂に実現しなかった、その計画が……映画で果たされた…。はぐちゃん、貝殻拾ってないみたいですけれど。
伊勢谷友介さんの森田の表情はすごいです。
本書の静止画のみが頼りですがなかなかイメージにハマってる気がします。
ただほとんどテレビや映画等に触れないのでいかんせん声色がわかりかねます。
声はキャラクターと合っているのか謎です。原作ではシリアスさとコミカルさ、突拍子のなさとあふれる才能と振れ幅の大きい人物像ですがどう演じられていたのでしょう。
映画の真山は原作より危険人物になってるようです。
理花さん、逃げてッ!と叫ばずにはいられません。
原作と映画は別もの
原作贔屓ですかね。
少女漫画は心情描写が多いので実写化は難しいように思います。
羽海野作品は言葉の選び方にも魅力があると思いますし、雰囲気も味わえるものだと感じています。アニメはともかく実写は……原作好きとしては別物と割り切って観た方が怪我が少ないように思えてしまいました。
今回のはノベライズなので、実際に映画観てみたらまた感想違うかもしれませんね。
なんにせよ大学時代に戻りたーーい!
青春したい!
と「青春スーツ」を身に纏い直したくなる気がします。
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『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』
城 繁幸(じょう しげゆき)
2006.9.20 初版第1刷 (光文社)
読了日 2009/08/12
若者はなぜ3年で辞めるのか?~年功序列が奪う日本の未来~ (光文社新書) 城 繁幸 光文社 2006-09-21 売り上げランキング : 22067 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
「年功序列」と「成果主義」
年功序列は終わったと言われても、つい定期昇給があることを前提として今後の人生を考えてしまう……そんな思い込みは、社会人にも就活を迎える学生にも見られる。
「年功序列」というレールの崩壊。それにより、「若いうち我慢すればやがて…」というフレーズは意味をなくし、未来のポストを前提とした多くの働きの労は報われない。
能力、年齢制限という壁、「年功序列」の光と影、日本の「成果主義」の問題、若者に回るツケ。人件費の抑制(派遣社員やパートへの依存・新規雇用の縮小)により老いる企業。(→ノウハウの蓄積、継承が滞る)
そんな問題や、社会構造などに警鐘を鳴らしつつ、わかりやすく解説している。
(2006年に出版されたものではあるが今も十分に活きている内容だと思う。)
自分自身の働く理由は?
年功序列と終身雇用が大前提で、若いうちは年長者のために酷使され、自分が中高年になってからようやく恩恵に預かるシステム。それはもはや見込めない世になった。しかし現在の若年者と経営に関わる中高年ではシステムに関する認識が異なる、モデルとして描くものがかけ離れているが故に軋轢が生まれる。自分たちがかつてそうであったからと今の若年者に「滅私奉公」を求めても割に合わないと去られてしまう。
「石の上にも三年」なんて言うけれど、経験を積むためにその職場で折り合いをつけて続けていくのがいいのか、心機一転と若いうちに転職をするのがいいのか。
本書を読みながら、まずはわたし自身の「働く理由」についてもっと考えていきたいと思った。
(読了したのは23歳の誕生日を迎えた直後。
大学を卒業してはいてもまだ社会人の右も左も分からない状態だった。)
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