2014年6月10日火曜日
『若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来』
城 繁幸(じょう しげゆき)
2006.9.20 初版第1刷 (光文社)
読了日 2009/08/12
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「年功序列」と「成果主義」
年功序列は終わったと言われても、つい定期昇給があることを前提として今後の人生を考えてしまう……そんな思い込みは、社会人にも就活を迎える学生にも見られる。
「年功序列」というレールの崩壊。それにより、「若いうち我慢すればやがて…」というフレーズは意味をなくし、未来のポストを前提とした多くの働きの労は報われない。
能力、年齢制限という壁、「年功序列」の光と影、日本の「成果主義」の問題、若者に回るツケ。人件費の抑制(派遣社員やパートへの依存・新規雇用の縮小)により老いる企業。(→ノウハウの蓄積、継承が滞る)
そんな問題や、社会構造などに警鐘を鳴らしつつ、わかりやすく解説している。
(2006年に出版されたものではあるが今も十分に活きている内容だと思う。)
自分自身の働く理由は?
年功序列と終身雇用が大前提で、若いうちは年長者のために酷使され、自分が中高年になってからようやく恩恵に預かるシステム。それはもはや見込めない世になった。しかし現在の若年者と経営に関わる中高年ではシステムに関する認識が異なる、モデルとして描くものがかけ離れているが故に軋轢が生まれる。自分たちがかつてそうであったからと今の若年者に「滅私奉公」を求めても割に合わないと去られてしまう。
「石の上にも三年」なんて言うけれど、経験を積むためにその職場で折り合いをつけて続けていくのがいいのか、心機一転と若いうちに転職をするのがいいのか。
本書を読みながら、まずはわたし自身の「働く理由」についてもっと考えていきたいと思った。
(読了したのは23歳の誕生日を迎えた直後。
大学を卒業してはいてもまだ社会人の右も左も分からない状態だった。)